転生令嬢はまるっとすべてお見通し!~婚約破棄されたら、チートが開花したようです~
なんだか嫌な空気を感じ取った。コディがこれから言おうとしていることを、私はなんとなく察してしまった。
「フィデル様、未来を知るって、想像よりずっと恐ろしいことだね。あなたの話を聞かなかったら、僕は失敗を恐れてやらなかったかもしれないのに。『回避しない限り必ず起こる』なんて言うから、そんなのやるしかないでしょう。――あなたのせいだ。この事件が起きたのは」
「フィデルのせいにしないで! フィデルが言おうが言わまいが、あなたはこの事件を起こしていたはずよ!」
「そうかな? 少なくとも僕は、フィデル様の予知の話に背中を押されたよ。……ねぇフィデル様。僕はここまで赤裸々に話したんだから、フィデル様も教えてよ。王妃様殺しの真相を」
やめて。これ以上、フィデルの心の傷を抉らないで。
コディは容赦なく、フィデルの触れられたくない過去の話に、土足で上がり込もうとする。
「どうして何年も黙って幽閉されてた? それって、罪の意識があったからだよね? シエラ様が現れなければ、ずっとひとりで償い続けるつもりだったの? いったいどんな殺し方をしたら、そうなっちゃうの?」
「いい加減にして! それ以上言ったら、私はあなたを一生許さない」
「……いいんだシエラ。俺はちゃんと、自分の罪と向き合わなくてはならない。今までずっと向き合ってきたつもりだった。でもひとりになることで、逃げていただけだった」
フィデルはそう言って、私に『大丈夫』というように、弱々しい笑顔を向けた。
「フィデル様、未来を知るって、想像よりずっと恐ろしいことだね。あなたの話を聞かなかったら、僕は失敗を恐れてやらなかったかもしれないのに。『回避しない限り必ず起こる』なんて言うから、そんなのやるしかないでしょう。――あなたのせいだ。この事件が起きたのは」
「フィデルのせいにしないで! フィデルが言おうが言わまいが、あなたはこの事件を起こしていたはずよ!」
「そうかな? 少なくとも僕は、フィデル様の予知の話に背中を押されたよ。……ねぇフィデル様。僕はここまで赤裸々に話したんだから、フィデル様も教えてよ。王妃様殺しの真相を」
やめて。これ以上、フィデルの心の傷を抉らないで。
コディは容赦なく、フィデルの触れられたくない過去の話に、土足で上がり込もうとする。
「どうして何年も黙って幽閉されてた? それって、罪の意識があったからだよね? シエラ様が現れなければ、ずっとひとりで償い続けるつもりだったの? いったいどんな殺し方をしたら、そうなっちゃうの?」
「いい加減にして! それ以上言ったら、私はあなたを一生許さない」
「……いいんだシエラ。俺はちゃんと、自分の罪と向き合わなくてはならない。今までずっと向き合ってきたつもりだった。でもひとりになることで、逃げていただけだった」
フィデルはそう言って、私に『大丈夫』というように、弱々しい笑顔を向けた。