転生令嬢はまるっとすべてお見通し!~婚約破棄されたら、チートが開花したようです~
「し、知ったような口を利くな! 両親だって、いい学園に入ったのに、上流階級の人間と関わりも持てないで、勉強でも結果を出せなくなった僕をすっかり見捨ててるよ!」
「じゃあ見返してやりなさいよ。あなたほどの器用さと知識があるなら、両親よりたくさんの人を笑顔にするおもちゃが作れる。今日、あなたはたくさんの人を悲しませた。その倍以上の人たちを、今度は笑顔にさせる物を作りなさいよ」
これからなにをしたって、コディが今日やったことは、決して許されることではない。
でも二度と、間違いを起こさないことはできる。コディにも、明日はやってくる。誰にだって、未来があるのだから。
だから私は、コディにいちばんいいアドバイスをしてあげることにした。
「あなたに大事なことを教えてあげる。ロレッタより素敵な女なんて、山ほどいるわ。あんな女のために人生諦めたって、死んでも死にきれないわよ」
「うるさいっ! もうほっといてくれよ! さっさと出ていけ! このままだと死ぬぞ!? 僕は、ふたりとは違う! ふたりみたいに……強くないんだ。なんの力も持ってない、弱い人間なんだ。だから、置いて行ってくれ……」
出て行けと言われても、今更無理な話だ。もう、廊下は火の海だし。
「この場にいる誰も、強くなんてないわ」
「よく言うよ。僕は無能。君たちは異能者。それだけで、普通の人間よりずっと強いじゃないか」
「今の私とフィデルは、普通の人間同然よ。そもそもフィデルは力を失ったし、私の力も制限があるのはわかってるんでしょう? 使いすぎちゃって、今日はもう使えそうにない。あなたが言っているのが心の強さのことなら――私たちはあなたより、強くあろうと必死なだけ」
少し離れた場所にいた私もコディの前まで歩くと、フィデルの隣に並んだ。
「じゃあ見返してやりなさいよ。あなたほどの器用さと知識があるなら、両親よりたくさんの人を笑顔にするおもちゃが作れる。今日、あなたはたくさんの人を悲しませた。その倍以上の人たちを、今度は笑顔にさせる物を作りなさいよ」
これからなにをしたって、コディが今日やったことは、決して許されることではない。
でも二度と、間違いを起こさないことはできる。コディにも、明日はやってくる。誰にだって、未来があるのだから。
だから私は、コディにいちばんいいアドバイスをしてあげることにした。
「あなたに大事なことを教えてあげる。ロレッタより素敵な女なんて、山ほどいるわ。あんな女のために人生諦めたって、死んでも死にきれないわよ」
「うるさいっ! もうほっといてくれよ! さっさと出ていけ! このままだと死ぬぞ!? 僕は、ふたりとは違う! ふたりみたいに……強くないんだ。なんの力も持ってない、弱い人間なんだ。だから、置いて行ってくれ……」
出て行けと言われても、今更無理な話だ。もう、廊下は火の海だし。
「この場にいる誰も、強くなんてないわ」
「よく言うよ。僕は無能。君たちは異能者。それだけで、普通の人間よりずっと強いじゃないか」
「今の私とフィデルは、普通の人間同然よ。そもそもフィデルは力を失ったし、私の力も制限があるのはわかってるんでしょう? 使いすぎちゃって、今日はもう使えそうにない。あなたが言っているのが心の強さのことなら――私たちはあなたより、強くあろうと必死なだけ」
少し離れた場所にいた私もコディの前まで歩くと、フィデルの隣に並んだ。