転生令嬢はまるっとすべてお見通し!~婚約破棄されたら、チートが開花したようです~
向こうも私たちに気づくと、物凄い形相をして近づいてくる。
「シエラ、フィデル! どうしてお前たちがここにいる!?」
エリオットは、以前夜会で言っていたようなセリフをまた私たちに放った。
「抜け出したからでしょうね。どうやったかは、めんどくさいから省略させてもらうわ。それよりも……全部聞いたわよ。あなたたちの悪事をね!」
「……悪事だと? 僕もロレッタも、なんのことかわからないな」
「しらばっくれても無駄よ。コディに全部聞いたわ。……事件が起きて、新入生を助けようともせず、真っ先に逃げていたところも、私の目ではっきりと見させてもらったから!」
「コディが喋っただと?」
エリオットがコディを睨みつける横で、ロレッタが驚きの声を上げる。
「どうして、あなたがここにいるのよ。コディ……!」
「……僕が、火をつけたからですよ」
「なっ!? 犯人は、お前だったのか!?」
「はい。ロレッタ様を愛していたのに、ひどい仕打ちを受けたので。どうです? 〝おもちゃ〟に反撃された気分は」
自虐しながらも、今のコディはどこか清々しそうにも見えた。
反対に、エリオットとロレッタの表情には焦りが生まれている。
「悪かった。そんなに傷つけたとは知らなかったんだ。婚約破棄というのは、簡単なことじゃなくてね。騙したような形になったことは謝るよ。……そうだ。コディ、僕と取引をしないか?」
上っ面だけの謝罪をし、エリオットはまた悪知恵を働かせたのか、コディに取引を持ち掛けた。
婚約破棄は簡単なことじゃないって? あんなにあっさり、婚約破棄したくせに。
「シエラ、フィデル! どうしてお前たちがここにいる!?」
エリオットは、以前夜会で言っていたようなセリフをまた私たちに放った。
「抜け出したからでしょうね。どうやったかは、めんどくさいから省略させてもらうわ。それよりも……全部聞いたわよ。あなたたちの悪事をね!」
「……悪事だと? 僕もロレッタも、なんのことかわからないな」
「しらばっくれても無駄よ。コディに全部聞いたわ。……事件が起きて、新入生を助けようともせず、真っ先に逃げていたところも、私の目ではっきりと見させてもらったから!」
「コディが喋っただと?」
エリオットがコディを睨みつける横で、ロレッタが驚きの声を上げる。
「どうして、あなたがここにいるのよ。コディ……!」
「……僕が、火をつけたからですよ」
「なっ!? 犯人は、お前だったのか!?」
「はい。ロレッタ様を愛していたのに、ひどい仕打ちを受けたので。どうです? 〝おもちゃ〟に反撃された気分は」
自虐しながらも、今のコディはどこか清々しそうにも見えた。
反対に、エリオットとロレッタの表情には焦りが生まれている。
「悪かった。そんなに傷つけたとは知らなかったんだ。婚約破棄というのは、簡単なことじゃなくてね。騙したような形になったことは謝るよ。……そうだ。コディ、僕と取引をしないか?」
上っ面だけの謝罪をし、エリオットはまた悪知恵を働かせたのか、コディに取引を持ち掛けた。
婚約破棄は簡単なことじゃないって? あんなにあっさり、婚約破棄したくせに。