転生令嬢はまるっとすべてお見通し!~婚約破棄されたら、チートが開花したようです~
「力がなくなった……? フッ……はははは!」
静寂を壊したのは、依然として拘束されたままのエリオットの笑い声だった。
「僕は異能に関してのあらゆる情報を集めていたが、〝能力を失うことがある〟という噂は本当だったとはな! 能力だけが取り柄だったお前がそれを失ったら、ただの無価値な人間じゃないか! 無能で無価値のくせに燃えた学園に飛び込むなんて馬鹿なやつ、誰も英雄なんて思うわけないだろう!」
エリオットだけは、能力を失うということをどこかで見るなり聞くなりしたことがあるようで、フィデルの発言をすぐに理解できたみたいだ。
フィデルが能力を失ったことで、エリオットはフィデルに対する劣等感がなくなったのか、この状況下で嬉しそうに笑っている。念願が叶ったかのように、フィデルが能力を失ったことへの喜びに溢れているのだ。
「――なんの力も持たないのに学園に飛び込めたのって、すごくないか?」
エリオットの高笑いを打ち消すように、民衆から声が聞こえた。
「普通できるか? 中に身内がいたわけでもないのに。フィデル様は、能力があろうがなかろうが、勇敢なことに変わりない!」
落胆されるかと思いきや、民衆のフィデルへの好感はむしろ上がっている。
「シエラ様、フィデル様! 今までの数々のご無礼を、どうかお許しください!」
「おふたりは、私たちにとって真の英雄です!」
ワァッと学園前にひと際大きな歓声が上がる。
たくさんの人の笑顔が、私たちへと向けられている。
……前世から連続で婚約破棄されて、嘘つき女に仕立て上げられて、本当に散々な目に遭った。
ここまでの道のりは大変だったけど、私はやり遂げることができたんだ。
もう誰にも〝嘘つき女〟と呼ばせないし、私の人生を笑わせない。
静寂を壊したのは、依然として拘束されたままのエリオットの笑い声だった。
「僕は異能に関してのあらゆる情報を集めていたが、〝能力を失うことがある〟という噂は本当だったとはな! 能力だけが取り柄だったお前がそれを失ったら、ただの無価値な人間じゃないか! 無能で無価値のくせに燃えた学園に飛び込むなんて馬鹿なやつ、誰も英雄なんて思うわけないだろう!」
エリオットだけは、能力を失うということをどこかで見るなり聞くなりしたことがあるようで、フィデルの発言をすぐに理解できたみたいだ。
フィデルが能力を失ったことで、エリオットはフィデルに対する劣等感がなくなったのか、この状況下で嬉しそうに笑っている。念願が叶ったかのように、フィデルが能力を失ったことへの喜びに溢れているのだ。
「――なんの力も持たないのに学園に飛び込めたのって、すごくないか?」
エリオットの高笑いを打ち消すように、民衆から声が聞こえた。
「普通できるか? 中に身内がいたわけでもないのに。フィデル様は、能力があろうがなかろうが、勇敢なことに変わりない!」
落胆されるかと思いきや、民衆のフィデルへの好感はむしろ上がっている。
「シエラ様、フィデル様! 今までの数々のご無礼を、どうかお許しください!」
「おふたりは、私たちにとって真の英雄です!」
ワァッと学園前にひと際大きな歓声が上がる。
たくさんの人の笑顔が、私たちへと向けられている。
……前世から連続で婚約破棄されて、嘘つき女に仕立て上げられて、本当に散々な目に遭った。
ここまでの道のりは大変だったけど、私はやり遂げることができたんだ。
もう誰にも〝嘘つき女〟と呼ばせないし、私の人生を笑わせない。