転生令嬢はまるっとすべてお見通し!~婚約破棄されたら、チートが開花したようです~
「……そうですよね。私の力不足です。でも、負けたままでいる気はありません」
厳しい視線から目を背けることはしない。私も真正面から、ドリスさんのことを見つめて言い返す。
「ふぅん? 負け犬のまま帰るのかと思ってたけど、そうじゃないってことかしら?」
「はい。……ドリスさん、私のお願いを、ひとつ聞いてもらえないでしょうか」
ここでドリスさんに会えた私は、もしかしたらめちゃくちゃ運がよかったのかもしれない。
ドリスさんは王妃様の妹だ。その立場にある人なら、きっとフィデル様のところへたどり着くのになにか役立つ情報を持っているはず。
「あんたの言うお願いを叶えてあげるかどうかは、聞いてから判断させてもらうわ」
「わかりました。私は、今日中にどうしてもフィデル様にお会いしたいのです」
「……フィデルと?」
予想外なお願いだったのだろう。ドリスさんは訝しげに眉をひそめた。
「どうしてあんたがフィデルに会いたがるのよ。第一王子がだめなら、第二王子で手を打とうって魂胆?」
「違います! 私の目的のためには、フィデル様の力が必要なんです!」
「その〝目的〟っていうのを、言ってみなさいよ」
ドリスさんは、まだ納得のいかないような感じだ。だったらストレートに、私の想いをぶつけるほかない。
「婚約破棄されてただの貧乏令嬢に戻った私を、誰にも笑わせないことです」
初めて、自分の意見をはっきりとドリスさんに言った気がする。
ドリスさんは驚いたように目を見開いたあと、今度はプッと噴きだしそのまま楽しそうに笑いだした。
厳しい視線から目を背けることはしない。私も真正面から、ドリスさんのことを見つめて言い返す。
「ふぅん? 負け犬のまま帰るのかと思ってたけど、そうじゃないってことかしら?」
「はい。……ドリスさん、私のお願いを、ひとつ聞いてもらえないでしょうか」
ここでドリスさんに会えた私は、もしかしたらめちゃくちゃ運がよかったのかもしれない。
ドリスさんは王妃様の妹だ。その立場にある人なら、きっとフィデル様のところへたどり着くのになにか役立つ情報を持っているはず。
「あんたの言うお願いを叶えてあげるかどうかは、聞いてから判断させてもらうわ」
「わかりました。私は、今日中にどうしてもフィデル様にお会いしたいのです」
「……フィデルと?」
予想外なお願いだったのだろう。ドリスさんは訝しげに眉をひそめた。
「どうしてあんたがフィデルに会いたがるのよ。第一王子がだめなら、第二王子で手を打とうって魂胆?」
「違います! 私の目的のためには、フィデル様の力が必要なんです!」
「その〝目的〟っていうのを、言ってみなさいよ」
ドリスさんは、まだ納得のいかないような感じだ。だったらストレートに、私の想いをぶつけるほかない。
「婚約破棄されてただの貧乏令嬢に戻った私を、誰にも笑わせないことです」
初めて、自分の意見をはっきりとドリスさんに言った気がする。
ドリスさんは驚いたように目を見開いたあと、今度はプッと噴きだしそのまま楽しそうに笑いだした。