転生令嬢はまるっとすべてお見通し!~婚約破棄されたら、チートが開花したようです~
「え、えーっと? ドリスさん?」
いつも怖い顔をしていて、さっきまで機嫌の悪かったドリスさんが、目の前で未だ笑い続けている。
「ふっ……! あはは! シエラ。やっぱりあんたはおもしろいわ。あたしが見込んだだけはある」
笑い過ぎて目尻に浮かんだ涙を人差し指で拭いながら、ドリスさんは私の肩をぽんっと叩いて言った。
「私、いつのまにドリスさんに見込んでもらっていたんでしょうか……?」
「えぇ? 伝わってなかった? あたし、あんたのことは結構気に入ってたのよ」
「そ、そうだったんですか!?」
「シエラは王妃教育中、一度だって弱音を吐かなかった。こんな根性ある女は、なかなかいないわ」
「……ドリスさん」
弱音を吐けば、すぐに王妃教育を中止にされてつまみ出されると思っていたし、必死すぎて弱音を吐くことすら忘れていたけど……ドリスさんが、そういうところをちゃんと見ていてくれていたなんて。
「あたしの厳しい指導を頑張りぬいた、そのご褒美くらいはあげないといけないわね」
ってことは……!? 期待のまなざしでドリスさんを見れば、ドリスさんはにやりと口角を上げて私にウインクをした。
「シエラがフィデルに会えるよう、あたしが協力してあげる」
「ありがとうございます! ドリスさん!」
喜びのあまり、勢いに任せてそのままドリスさんに抱きつくと、すぐに引きはがされてしまった。
いつも怖い顔をしていて、さっきまで機嫌の悪かったドリスさんが、目の前で未だ笑い続けている。
「ふっ……! あはは! シエラ。やっぱりあんたはおもしろいわ。あたしが見込んだだけはある」
笑い過ぎて目尻に浮かんだ涙を人差し指で拭いながら、ドリスさんは私の肩をぽんっと叩いて言った。
「私、いつのまにドリスさんに見込んでもらっていたんでしょうか……?」
「えぇ? 伝わってなかった? あたし、あんたのことは結構気に入ってたのよ」
「そ、そうだったんですか!?」
「シエラは王妃教育中、一度だって弱音を吐かなかった。こんな根性ある女は、なかなかいないわ」
「……ドリスさん」
弱音を吐けば、すぐに王妃教育を中止にされてつまみ出されると思っていたし、必死すぎて弱音を吐くことすら忘れていたけど……ドリスさんが、そういうところをちゃんと見ていてくれていたなんて。
「あたしの厳しい指導を頑張りぬいた、そのご褒美くらいはあげないといけないわね」
ってことは……!? 期待のまなざしでドリスさんを見れば、ドリスさんはにやりと口角を上げて私にウインクをした。
「シエラがフィデルに会えるよう、あたしが協力してあげる」
「ありがとうございます! ドリスさん!」
喜びのあまり、勢いに任せてそのままドリスさんに抱きつくと、すぐに引きはがされてしまった。