転生令嬢はまるっとすべてお見通し!~婚約破棄されたら、チートが開花したようです~
「どうしてなの? フィデル様はあそこに閉じ込められているの?」
「……はい。もう何年も前から、フィデル様はあの別邸で、たったひとりで生活しています。しかしそれは、半分本人の意思でもあるのです。フィデル様は、一度も〝ここから出してくれ〟と言わなかった」
「あとの半分は……?」
「エリオット様と陛下に、フィデル様をあそこから出すなと強く言われています。フィデル様はもう家族ではないと。恐ろしい力を持っているフィデル様を、外に出してはいけない、と」
――恐ろしい力っていうのは。
「それって、フィデル様が持っている〝予知能力〟のこと?」
私が言うと、ニールに動揺が見えた。一気に部屋中に張り詰めた空気が流れ、緊張感が増す。
「……シエラ様は、いったいどこまで知っているんですか」
「聞いてしまったの。以前、エリオットと陛下がしていたフィデル様の話を。まさか、本当だとは思わなかったけど」
ニールの反応的に、フィデル様が能力を持っていることはほぼ間違いないだろう。
「ねぇニール。私の話を聞いてほしい。どうして私が、フィデル様に会いたいか、その理由を」
「……そうですね。私には、その理由を聞く義務があります」
「私も――フィデル様と同じ。異能を持っているの。……昨日からだけどね」
それから私は包み隠さず、ニールにすべてを話した。
エリオットに婚約破棄された理由。そのとき能力が開花したこと。エリオットとロレッタが明日の夜会で自分を悪者にしようとしていること。
それが悔しくて、許せなくて、絶対に阻止してやりたい。そのために、フィデル様の力を借りたいこと。だからドリスさんの協力を得て、ニールをここに呼び出したことも。
ニールはずっと、真剣に私の話に耳を傾けてくれた。全部を聞き終えたニールは、目を閉じて小さく息を吐くと、またゆっくりと目を開けた。
「……はい。もう何年も前から、フィデル様はあの別邸で、たったひとりで生活しています。しかしそれは、半分本人の意思でもあるのです。フィデル様は、一度も〝ここから出してくれ〟と言わなかった」
「あとの半分は……?」
「エリオット様と陛下に、フィデル様をあそこから出すなと強く言われています。フィデル様はもう家族ではないと。恐ろしい力を持っているフィデル様を、外に出してはいけない、と」
――恐ろしい力っていうのは。
「それって、フィデル様が持っている〝予知能力〟のこと?」
私が言うと、ニールに動揺が見えた。一気に部屋中に張り詰めた空気が流れ、緊張感が増す。
「……シエラ様は、いったいどこまで知っているんですか」
「聞いてしまったの。以前、エリオットと陛下がしていたフィデル様の話を。まさか、本当だとは思わなかったけど」
ニールの反応的に、フィデル様が能力を持っていることはほぼ間違いないだろう。
「ねぇニール。私の話を聞いてほしい。どうして私が、フィデル様に会いたいか、その理由を」
「……そうですね。私には、その理由を聞く義務があります」
「私も――フィデル様と同じ。異能を持っているの。……昨日からだけどね」
それから私は包み隠さず、ニールにすべてを話した。
エリオットに婚約破棄された理由。そのとき能力が開花したこと。エリオットとロレッタが明日の夜会で自分を悪者にしようとしていること。
それが悔しくて、許せなくて、絶対に阻止してやりたい。そのために、フィデル様の力を借りたいこと。だからドリスさんの協力を得て、ニールをここに呼び出したことも。
ニールはずっと、真剣に私の話に耳を傾けてくれた。全部を聞き終えたニールは、目を閉じて小さく息を吐くと、またゆっくりと目を開けた。