転生令嬢はまるっとすべてお見通し!~婚約破棄されたら、チートが開花したようです~
とにかく、一歩前に進めたのだから。今は目いっぱい喜ばないと。それにしても、異能を持ってて本当によかった。
持っていなかったら、ここへも辿りつけていないし、フィデルに会うこともなかったし……そう思うと。
「……確かに、私って能力がなければ、なんの価値もない女だったのかなぁ」
急にそう思い、センチメンタルな気分になった。エリオットだって、一緒に過ごしているうちになんらかの情が湧けば、私にこんなひどい仕打ちはしなかっただろうし。
「そんなことはない」
「……えっ?」
ずっと座っていたフィデルが立ち上がり、私の目の前までやってきた。
思っていたよりも背が高く、見上げるようにフィデルの顔を見ると、薄ピンクの綺麗な形をした唇が動いた。
「今までなにもしようとしなかった俺にとっては、お前の行動力と強い意志は、じゅうぶん価値のあるものに思う」
「あ、ありがとう」
突然のフィデルからの褒め言葉に、顔が熱くなるのがわかる。
薄っぺらい言葉でなく、ちゃんと自分自身を褒めてくれたフィデルの言葉は、昨日からずっと心に刺さっていた傷を癒してくれる、とてもあたたかいものだった。
「じゃあ、改めて――これからよろしくね! フィデル!」
私が握手を求めると、フィデルは遠慮がちにその手を握り、恥ずかしそうにそっぽを向いた。
「……ああ。よろしく」
この瞬間に、いずれ国に名を轟かせるであろう、私とフィデルの〝最強コンビ〟が結成された。
持っていなかったら、ここへも辿りつけていないし、フィデルに会うこともなかったし……そう思うと。
「……確かに、私って能力がなければ、なんの価値もない女だったのかなぁ」
急にそう思い、センチメンタルな気分になった。エリオットだって、一緒に過ごしているうちになんらかの情が湧けば、私にこんなひどい仕打ちはしなかっただろうし。
「そんなことはない」
「……えっ?」
ずっと座っていたフィデルが立ち上がり、私の目の前までやってきた。
思っていたよりも背が高く、見上げるようにフィデルの顔を見ると、薄ピンクの綺麗な形をした唇が動いた。
「今までなにもしようとしなかった俺にとっては、お前の行動力と強い意志は、じゅうぶん価値のあるものに思う」
「あ、ありがとう」
突然のフィデルからの褒め言葉に、顔が熱くなるのがわかる。
薄っぺらい言葉でなく、ちゃんと自分自身を褒めてくれたフィデルの言葉は、昨日からずっと心に刺さっていた傷を癒してくれる、とてもあたたかいものだった。
「じゃあ、改めて――これからよろしくね! フィデル!」
私が握手を求めると、フィデルは遠慮がちにその手を握り、恥ずかしそうにそっぽを向いた。
「……ああ。よろしく」
この瞬間に、いずれ国に名を轟かせるであろう、私とフィデルの〝最強コンビ〟が結成された。