転生令嬢はまるっとすべてお見通し!~婚約破棄されたら、チートが開花したようです~
広がる世界
「それじゃ、まずは一度力を使ってみてくれる?」
「いきなりだな。うまくできるかわからないぞ。言った通り、何年も使ってなかったからな」
「だからこそでしょ。まだちゃんと使えるか、一応確認しないと!」
「はぁ……わかった」
フィデルは集中するようにしばらく一点を見つめると、目を閉じた。
今、フィデルには未来が見えているのかと思うと、私までドキドキしてくる。フィデルは私と逆で、目を閉じると力 が発動するうようだ。
「……っ!」
静かに目を閉じていたフィデルが、突然ぱっと目を開けた。その姿はとても動揺しているように見え、『なにかとんでもないものを見てしまったのでは……』と私は心配になる。
「どうしたの!? 大丈夫!?」
「い、いや、悪い。久しぶりだからか、うまく力が使えない。……なにかを間違ったようだ。もう一度、ちゃんとやらせてくれ」
「うん? 大丈夫ならいいけど……」
フィデルはもう一度目を閉じた。今度は目を開けることなく、しばらくの間じっとしている。そして、見終わったタイミングでか、ゆっくりと目を開けた。
いったいなにが見えたのだろう……。気になって、私はごくりと生唾を飲みフィデルの言葉を待った。
「ロレッタという女は、どのような姿をしているか教えてくれるか?」
「え? えっと、金髪縦ロールで意地悪そうな顔をしてたらロレッタだと思うけど」
「意地が悪そうかはわからないが、髪型は合っている。じゃあ、そいつか」
「なになに!? どんな未来が見えたの!?」
「城で大勢の人たちに囲まれながら、無駄に体を寄せ合い、婚約発表をしているエリオットとロレッタの姿が見えた」
「な、なんですって……!」
「いきなりだな。うまくできるかわからないぞ。言った通り、何年も使ってなかったからな」
「だからこそでしょ。まだちゃんと使えるか、一応確認しないと!」
「はぁ……わかった」
フィデルは集中するようにしばらく一点を見つめると、目を閉じた。
今、フィデルには未来が見えているのかと思うと、私までドキドキしてくる。フィデルは私と逆で、目を閉じると力 が発動するうようだ。
「……っ!」
静かに目を閉じていたフィデルが、突然ぱっと目を開けた。その姿はとても動揺しているように見え、『なにかとんでもないものを見てしまったのでは……』と私は心配になる。
「どうしたの!? 大丈夫!?」
「い、いや、悪い。久しぶりだからか、うまく力が使えない。……なにかを間違ったようだ。もう一度、ちゃんとやらせてくれ」
「うん? 大丈夫ならいいけど……」
フィデルはもう一度目を閉じた。今度は目を開けることなく、しばらくの間じっとしている。そして、見終わったタイミングでか、ゆっくりと目を開けた。
いったいなにが見えたのだろう……。気になって、私はごくりと生唾を飲みフィデルの言葉を待った。
「ロレッタという女は、どのような姿をしているか教えてくれるか?」
「え? えっと、金髪縦ロールで意地悪そうな顔をしてたらロレッタだと思うけど」
「意地が悪そうかはわからないが、髪型は合っている。じゃあ、そいつか」
「なになに!? どんな未来が見えたの!?」
「城で大勢の人たちに囲まれながら、無駄に体を寄せ合い、婚約発表をしているエリオットとロレッタの姿が見えた」
「な、なんですって……!」