転生令嬢はまるっとすべてお見通し!~婚約破棄されたら、チートが開花したようです~
お母様は、それから今まで私に話したことのなかったいろんな話をしてくれた。フィデルも興味深そうに、お母様の話を聞いている。
どうやら私の前に能力を持って生まれたのは、私のひいおばあ様らしい。しかし、ひいおばあ様は能力があることを身内以外には誰にも公言せず、ずっと隠して生きてきたという。だから、ひいおばあ様が能力を持っていたことを知っているのは、ガードナー家の人間だけ。
「なんでひいおばあちゃんは、力があることを黙っていたの?」
「……過去の異能者は、その力を狙われ、散々こき使われた挙句、力を失った途端捨てられた。そういったことが後を絶たなかったから、おばあ様は自分を守るために、口外しなかったんだと思う。でも、ガードナー家は力のおかげで様々なビジネスを成功させていた。だから、この何十年かで一気に貧しくなっていったのも事実。まぁ、それでもみんな、幸せに暮らしていけてるからいいんだけどね。公言するか、黙っておくか、それを決めるのはシエラ次第よ。シエラが好きなようにしたらいい。パパもママも、シエラが選んだ道を支えていくから」
力がないと、捨てられる――か。身に覚えがある話で、心が痛くなった。
私は今後のためにも、力のことを黙ってはいられないので、きっと公言することを選ぶけど……今の話を聞くと、正しいことなのかはわからない。
「ちょっといいか。力を失うっていうのは、どういうことだ」
今まで黙っていたフィデルがここで口を挟む。私も、お母様のその言葉が引っかかっていた。
「フィデル王子も、異能者なんですものね。……あのね、ふたりともよく覚えておいて。突然生まれた力は、突然失うこともあるってことを」
「突然、失う?」
私とフィデルの声が重なった。お母様は大きく頷き、真剣なまなざしで私とフィデルを交互に見る。
「そう。原因はわからないけど、先代の異能者で、死ぬまでずっと力を持ってたひとは誰もいなかったみたいなの。……だから、力がなくても幸せになれるように生きてほしい」
どうやら私の前に能力を持って生まれたのは、私のひいおばあ様らしい。しかし、ひいおばあ様は能力があることを身内以外には誰にも公言せず、ずっと隠して生きてきたという。だから、ひいおばあ様が能力を持っていたことを知っているのは、ガードナー家の人間だけ。
「なんでひいおばあちゃんは、力があることを黙っていたの?」
「……過去の異能者は、その力を狙われ、散々こき使われた挙句、力を失った途端捨てられた。そういったことが後を絶たなかったから、おばあ様は自分を守るために、口外しなかったんだと思う。でも、ガードナー家は力のおかげで様々なビジネスを成功させていた。だから、この何十年かで一気に貧しくなっていったのも事実。まぁ、それでもみんな、幸せに暮らしていけてるからいいんだけどね。公言するか、黙っておくか、それを決めるのはシエラ次第よ。シエラが好きなようにしたらいい。パパもママも、シエラが選んだ道を支えていくから」
力がないと、捨てられる――か。身に覚えがある話で、心が痛くなった。
私は今後のためにも、力のことを黙ってはいられないので、きっと公言することを選ぶけど……今の話を聞くと、正しいことなのかはわからない。
「ちょっといいか。力を失うっていうのは、どういうことだ」
今まで黙っていたフィデルがここで口を挟む。私も、お母様のその言葉が引っかかっていた。
「フィデル王子も、異能者なんですものね。……あのね、ふたりともよく覚えておいて。突然生まれた力は、突然失うこともあるってことを」
「突然、失う?」
私とフィデルの声が重なった。お母様は大きく頷き、真剣なまなざしで私とフィデルを交互に見る。
「そう。原因はわからないけど、先代の異能者で、死ぬまでずっと力を持ってたひとは誰もいなかったみたいなの。……だから、力がなくても幸せになれるように生きてほしい」