転生令嬢はまるっとすべてお見通し!~婚約破棄されたら、チートが開花したようです~
「はい。今は春休み中なので、こうして毎日手伝ってます。両親とも、最近あまり体の具合がよくないみたいで」
「春休み中って……コディ、私と同級生じゃないの?」
「学年的には、ひとつ下になります」
「じゃあ俺と同じ歳か」
フィデルと同じ歳……。あれ? じゃあ、もし事件が解決して自由になれば、フィデルは学園に通うこともできるのよね? さっき私がした妄想は、実は未来予知だったのかも。
「ロレッタとは仲が良いの?」
「ロレッタ様は、図書委員の先輩だったんです。なにも知らない僕に、優しく接してくれて……。初めて、僕の名前をちゃんと覚えてくれた人でした。今でも、とても尊敬してるお方です」
コディがあまりにも穏やかで、嬉しそうな顔をしてロレッタの話をするから、「あの女が?」と言いかけた言葉を慌てて飲み込む。
「実は僕、見ての通りの庶民です。でも、あの学園には一般から一枠だけ、成績優秀者が学費免除で入学させてもらえるんです。僕は勉強だけは昔から得意で、奇跡的にその枠に入ることができたんです」
「へぇ! そんな仕組みがあったなんて知らなかったわ。すごい。コディって、とっても頭が良いのね」
私が褒めると、コディは苦笑しながら首を横に振った。
「でも実際入学すると、頭の良さなんて全然意味なかったんです。分不相応な場所に飛び込んだせいで、周りの環境について行けないし。存在感も皆無な僕は、友達もできず、勉強以外やることがなくてずっと図書室に引きこもってました。そこで、ロレッタ様にお会いしたんです」
コディの気持ちが、私にはよくわかった。
全然違うようで、どことなく似ていたから。私もエリオットの婚約者というだけであの学園に入学した。当然、周りについていけず、疎外感があった。
だけど、当時の私にはエリオットがそばにいてくれていて、私にとって、エリオットが唯一の救いで、光のような存在だった。きっと、コディにとってはそれが、ロレッタだったのだ。
「春休み中って……コディ、私と同級生じゃないの?」
「学年的には、ひとつ下になります」
「じゃあ俺と同じ歳か」
フィデルと同じ歳……。あれ? じゃあ、もし事件が解決して自由になれば、フィデルは学園に通うこともできるのよね? さっき私がした妄想は、実は未来予知だったのかも。
「ロレッタとは仲が良いの?」
「ロレッタ様は、図書委員の先輩だったんです。なにも知らない僕に、優しく接してくれて……。初めて、僕の名前をちゃんと覚えてくれた人でした。今でも、とても尊敬してるお方です」
コディがあまりにも穏やかで、嬉しそうな顔をしてロレッタの話をするから、「あの女が?」と言いかけた言葉を慌てて飲み込む。
「実は僕、見ての通りの庶民です。でも、あの学園には一般から一枠だけ、成績優秀者が学費免除で入学させてもらえるんです。僕は勉強だけは昔から得意で、奇跡的にその枠に入ることができたんです」
「へぇ! そんな仕組みがあったなんて知らなかったわ。すごい。コディって、とっても頭が良いのね」
私が褒めると、コディは苦笑しながら首を横に振った。
「でも実際入学すると、頭の良さなんて全然意味なかったんです。分不相応な場所に飛び込んだせいで、周りの環境について行けないし。存在感も皆無な僕は、友達もできず、勉強以外やることがなくてずっと図書室に引きこもってました。そこで、ロレッタ様にお会いしたんです」
コディの気持ちが、私にはよくわかった。
全然違うようで、どことなく似ていたから。私もエリオットの婚約者というだけであの学園に入学した。当然、周りについていけず、疎外感があった。
だけど、当時の私にはエリオットがそばにいてくれていて、私にとって、エリオットが唯一の救いで、光のような存在だった。きっと、コディにとってはそれが、ロレッタだったのだ。