転生令嬢はまるっとすべてお見通し!~婚約破棄されたら、チートが開花したようです~
流れ作業のように終わった一瞬の出来事だったが、それを見ていたニールが突然クスクスと笑い出した。
「どうしたの? ニール」
「いえ。シエラ様は、もうフィデル様の好みを把握してるんだなって。まだ出会ってて数日なのに、おふたりはすっかりいいコンビですね」
口元に手を当てながら、上品に笑い続けるニール。あんなに毎日マーマレードジャムを食べているフィデルを見ていたら、勝手に覚えてしまっただけだ。気にしていなかったのに、ニールに指摘されたことで変に意識してしまう。
私は気恥ずかしさを誤魔化すように、ブルーベリージャムを無心でパンに塗っていると、フィデルにジャムスプーンを持つ手を止められた。
「……お前、いつもこっちだろ。間違えてるのか?」
フィデルがストロベリージャムの瓶を指しながら言う。……そうだ。私、パンにはバターかストロベリージャムって、前世から決めてたのに。
紫に染まった自分のパンを見て落胆していると、ニールは笑いが堪えきれなかったようで「あはは! これは名コンビですね!」と大きな声を出して笑った。
朝からジャムで散々ニールに笑われた後、私とフィデルはドリスさんのもとへ向かった。
今朝、ニールがフィデルに外出用の新しい服を持ってきてくれたおかげで、フィデルは地味な私服から遂に第二王子らしい服装へと進化を遂げた。今日はグレーの軍服をさらりと着こなしている。
「おやおや、お揃いで」
「げ」
ドリスさんの部屋へあと少しというところで、気分が下がるふたりと遭遇してしまい、我慢できず声に出た。エリオットとロレッタだ。
「どうだ? 事件は解決できそうか?」
「できるように頑張ってる最中よ。それでは」
「どうしたの? ニール」
「いえ。シエラ様は、もうフィデル様の好みを把握してるんだなって。まだ出会ってて数日なのに、おふたりはすっかりいいコンビですね」
口元に手を当てながら、上品に笑い続けるニール。あんなに毎日マーマレードジャムを食べているフィデルを見ていたら、勝手に覚えてしまっただけだ。気にしていなかったのに、ニールに指摘されたことで変に意識してしまう。
私は気恥ずかしさを誤魔化すように、ブルーベリージャムを無心でパンに塗っていると、フィデルにジャムスプーンを持つ手を止められた。
「……お前、いつもこっちだろ。間違えてるのか?」
フィデルがストロベリージャムの瓶を指しながら言う。……そうだ。私、パンにはバターかストロベリージャムって、前世から決めてたのに。
紫に染まった自分のパンを見て落胆していると、ニールは笑いが堪えきれなかったようで「あはは! これは名コンビですね!」と大きな声を出して笑った。
朝からジャムで散々ニールに笑われた後、私とフィデルはドリスさんのもとへ向かった。
今朝、ニールがフィデルに外出用の新しい服を持ってきてくれたおかげで、フィデルは地味な私服から遂に第二王子らしい服装へと進化を遂げた。今日はグレーの軍服をさらりと着こなしている。
「おやおや、お揃いで」
「げ」
ドリスさんの部屋へあと少しというところで、気分が下がるふたりと遭遇してしまい、我慢できず声に出た。エリオットとロレッタだ。
「どうだ? 事件は解決できそうか?」
「できるように頑張ってる最中よ。それでは」