転生令嬢はまるっとすべてお見通し!~婚約破棄されたら、チートが開花したようです~
「ははっ……! すごいな。言うなれば、シエラの力を呼び起こしたのは、僕ということか。やはり僕も、特別な人間なんだ……!」
原因はエリオットであるが、エリオット自身に力を発動させる能力があるわけではない。私の力だって、神様が与えてくれたものだ。勝手に転生させられた代償に、〝特別な女の子〟として生まれてきた。
今の言い方からして、エリオットは異能者への強い憧れと、劣等感を抱いていることがわかる。口先でなんと言おうが、エリオットが最も欲しているのは能力だ。
ここまで能力に固執しているのは、やはり、フィデルという存在があったからだろうか。エリオットは、生まれながらにして〝特別〟だったフィデルが、羨ましくて仕方なかったのだ。
愛した女性と一緒になるより、力を持っている私との婚約を、再度求めるほどに。
「悪いけど、私、どんな理由であれ、あなたとやり直す気なんてないから」
笑い続けるエリオットに、強い意志を持って言い放つ。
「……どうしたシエラ。もしかして、フィデルに情が湧いたのか? 僕よりも、あいつがいいというのか?」
「フィデルがどうとか関係なしに、私を散々馬鹿にしたあなたを許せないと言っているのよ」
「強情な女だな。断れば、明日からお前も地下牢行きだ。嫌なら、僕と一緒になるほかない。一晩ゆっくり考えることだ」
「やり方が汚いわ! フィデルのことは、これからどうするつもりなの!? 」
地下牢行きになったとしても、エリオットと婚約する気はない。それよりも、フィデルのことが気になった。
「あいつは最下層の、一番寒くて辛い地下牢に閉じ込められているよ。二度と、陽の光を浴びられないようにね。もう勝手に動くことはできない。僕があいつの地下牢での暮らしを管理するからな」
エリオットは、ポケットから取り出した鍵を私にちらつかせた。地下牢の鍵だろう。
原因はエリオットであるが、エリオット自身に力を発動させる能力があるわけではない。私の力だって、神様が与えてくれたものだ。勝手に転生させられた代償に、〝特別な女の子〟として生まれてきた。
今の言い方からして、エリオットは異能者への強い憧れと、劣等感を抱いていることがわかる。口先でなんと言おうが、エリオットが最も欲しているのは能力だ。
ここまで能力に固執しているのは、やはり、フィデルという存在があったからだろうか。エリオットは、生まれながらにして〝特別〟だったフィデルが、羨ましくて仕方なかったのだ。
愛した女性と一緒になるより、力を持っている私との婚約を、再度求めるほどに。
「悪いけど、私、どんな理由であれ、あなたとやり直す気なんてないから」
笑い続けるエリオットに、強い意志を持って言い放つ。
「……どうしたシエラ。もしかして、フィデルに情が湧いたのか? 僕よりも、あいつがいいというのか?」
「フィデルがどうとか関係なしに、私を散々馬鹿にしたあなたを許せないと言っているのよ」
「強情な女だな。断れば、明日からお前も地下牢行きだ。嫌なら、僕と一緒になるほかない。一晩ゆっくり考えることだ」
「やり方が汚いわ! フィデルのことは、これからどうするつもりなの!? 」
地下牢行きになったとしても、エリオットと婚約する気はない。それよりも、フィデルのことが気になった。
「あいつは最下層の、一番寒くて辛い地下牢に閉じ込められているよ。二度と、陽の光を浴びられないようにね。もう勝手に動くことはできない。僕があいつの地下牢での暮らしを管理するからな」
エリオットは、ポケットから取り出した鍵を私にちらつかせた。地下牢の鍵だろう。