人格矯正メロディ
☆☆☆

頭から水を浴びてしまったあたしはそのまま保健室へ来ていた。


先生に外の水道で友達とふざけ合っていたら濡れてしまったと嘘をつき、タオルを借りた。


「小学生じゃないんだから」


呆れたように笑う保険の先生に、あたしはほほ笑み返した。


だけどうまく笑えているかどうかわからない。


まさか、香澄が海の事を好きだったなんて考えてもいなかった。


香澄はプライドが高く、どんなものでも手に入ると思っている。


それでも海だけは手に入らなかったのだろう。


だから今になってあたしにこんな非道なことを仕掛けて来たに違いない。


「ちょっと、顔色が悪いけどどうしたの?」


「なんだか気分が悪くて……」


あたしはそう呟き、フラフラとベッドへ向かった。


先生が先回りしてカーテンを開いてくれる。


あたしはそのまま倒れ込むようにしてベッドに入った。


香澄はきっと、このままじゃ終わらせないだろう。


これから先どんなことが待ち構えているのか……そう考えると、体の震えは止まらなくなってしまったのだった。
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