こちら人生交換屋
私は恐る恐るドアを叩いてみた
ガチャ…
目の前には
銀髪で背が高く
赤く冷たい瞳の男がたっていた
とてもタキシードがよく似合っている
まるで本物のドラキュラみたい…
「小山楓様ですね。ポール・ノースと申します。どうぞ中へお上がりください。」
洋館の中はとても広く肌寒い
「え…どうして私の名…」
「お茶を用意してまいりますのでここにお掛けになってお待ち下さい」
私は品のある高そうな赤いソファーに案内された
男はまるで私の話を聞いていない
辺りを見渡すと本当に幽霊が出そうな雰囲気だった
左側には大きな暖炉があり
所々に絵画が飾られている
まるで時が止まったかのようだ
聞こえるのは時計の音だけ
ふと後ろに人の気配がして振り向くと
「うわぁ!って…」
鏡に映った自分の姿だった
少しくもっていたので本当に幽霊かと思った
なんて醜いのだろうか…
私は自分のそばかすだらけの頬を触る
泣き腫らした私の顔はより一層大惨事になっていた
「どうぞお召し上がりください」
気がつくと目の前にあの男の人が座っていた。
「あ、あの…ありがとうございます。あのメールを見てきたんですが…冗談だとは思いますが…本当に他人と人生を交換することなんて…出来るんですか?」
口の中にほんのり広がる優しいハーブティーに思わず涙がこぼれおちた
「ええ、もちろん。人生交換屋なら、あなたの望む人と人生を交換して差し上げることが可能です。交換したい方がいらっしゃるようですね。」
「私は…私は楓になりたい。楓のような明るい人生を歩みたい…。」
男も一口紅茶を飲む
仕草が一つ一つ綺麗な人だ
「なるほど…。承知致しました」
すると男の人はもうひとつの紅茶を私に差し出した
「では…この紅茶をお飲みください。ユズリハの絵が描かれている食器に入れたものです。これを飲めば貴方は第2の人生を手に入れることが出来ます。くれぐれも後悔なさらないように…」
第2の人生…
私は息を飲んだ
信じてはいなかったが…
「もうこんな人生なんて要らない」
私は紅茶を一気飲みした
とてもふわふわして暖かかった
視界が大きく揺らぐ
そして体の力が抜けていくのが分かる
私の記憶はそこで途絶えた…
『小川様。どうぞ第2の人生をお楽しみ下さい』
ガチャ…
目の前には
銀髪で背が高く
赤く冷たい瞳の男がたっていた
とてもタキシードがよく似合っている
まるで本物のドラキュラみたい…
「小山楓様ですね。ポール・ノースと申します。どうぞ中へお上がりください。」
洋館の中はとても広く肌寒い
「え…どうして私の名…」
「お茶を用意してまいりますのでここにお掛けになってお待ち下さい」
私は品のある高そうな赤いソファーに案内された
男はまるで私の話を聞いていない
辺りを見渡すと本当に幽霊が出そうな雰囲気だった
左側には大きな暖炉があり
所々に絵画が飾られている
まるで時が止まったかのようだ
聞こえるのは時計の音だけ
ふと後ろに人の気配がして振り向くと
「うわぁ!って…」
鏡に映った自分の姿だった
少しくもっていたので本当に幽霊かと思った
なんて醜いのだろうか…
私は自分のそばかすだらけの頬を触る
泣き腫らした私の顔はより一層大惨事になっていた
「どうぞお召し上がりください」
気がつくと目の前にあの男の人が座っていた。
「あ、あの…ありがとうございます。あのメールを見てきたんですが…冗談だとは思いますが…本当に他人と人生を交換することなんて…出来るんですか?」
口の中にほんのり広がる優しいハーブティーに思わず涙がこぼれおちた
「ええ、もちろん。人生交換屋なら、あなたの望む人と人生を交換して差し上げることが可能です。交換したい方がいらっしゃるようですね。」
「私は…私は楓になりたい。楓のような明るい人生を歩みたい…。」
男も一口紅茶を飲む
仕草が一つ一つ綺麗な人だ
「なるほど…。承知致しました」
すると男の人はもうひとつの紅茶を私に差し出した
「では…この紅茶をお飲みください。ユズリハの絵が描かれている食器に入れたものです。これを飲めば貴方は第2の人生を手に入れることが出来ます。くれぐれも後悔なさらないように…」
第2の人生…
私は息を飲んだ
信じてはいなかったが…
「もうこんな人生なんて要らない」
私は紅茶を一気飲みした
とてもふわふわして暖かかった
視界が大きく揺らぐ
そして体の力が抜けていくのが分かる
私の記憶はそこで途絶えた…
『小川様。どうぞ第2の人生をお楽しみ下さい』