こちら人生交換屋
気がつくと私は森の入口で倒れていた
「あれ…道が…」
振り返ると先程通ってきたはずの洋館への道が無くなっていた
いや、夢だったのかもしれない
すると私は違和感を感じた
いつもより…目線が高い?
肩には天パの綺麗な髪が方にかかっている
私は急いで携帯で自分の顔を見るとその顔は楓のものだった
「え、嘘でしょ」
私は何度も自分の顔をひっぱりつねった
頬はじんじん痛む
「痛い…。本当に楓になれたんだ」
恐怖より私は嬉しさを感じている自分に怖かった
時間は12時30分
理由はともあれ学校を抜け出してしまった
戻りたくはないが騒ぎになる前に戻らなくては…
いつもより軽い足取りで私は学校へと向かう
初めて行く特進コースに私は緊張しながらなるべく自然に楓の教室に向かう
特進コースA組…
見た目は楓だが記憶は美咲のものである
周りから不自然に思われないようにしなければ
楓のクラスに戻ると4人のクラスメイトが私のところに来た
「楓〜。いきなりいなくなるからどうしたのかと思ったじゃん」
「早くお昼食べよ」
楓の友達は優しい人ばかりだった
男女共に仲が良く
私の日常とは別世界のように感じた
本当に楓になれるなんて
私は笑いが止まらなかった
帰り道
私は段々と冷静になってきた
今頃楓はどうしているのだろうか…
美咲として学校にいるのだろうか
だとしたら、いきなりの事で戸惑ってるに違いない…
でもそれならなぜ私のところに来ないんだろう…
そんな不安を押し殺すように
学生証の住所を頼りに私は楓の家に向かった
「え…ここ?」
目の前にはボロボロのアパートが立っていた
ミシ…ミシ…
錆び付いた階段を一段ずつゆっくり上がると
『 八重島 』と書かれた古びた表札があった
「ここが楓の家…」
鍵が空いていたのでそっと家に入る
「ただいま」
返事が返ってこなかった
廊下の奥の方からテレビの音が聞こえる
廊下にはあちこちビールの缶が散乱していた
「な、なにこれ…」
リビングらしきところに進むと30代位の男性…父親なのだろうか
冷たい目でこちらを睨みつけると
「遅かったじゃねーか。あ、酒は?」
私は衝撃のあまり答えることが出来なかった
お酒?
「買って来いって言ったのに。出来損ないがよ。ったく。」
私は床に叩きつけられた
殺される
私は咄嗟に頭を守った
バタンと大きなドアの閉まる音が聞こえた
どうやら父親らしき人は家を出ていったらしい
私はこの突然の状況に頭が回らなかった。
中学生の頃
授業参観の時に楓の両親に挨拶をしようと思ったが
楓の親は来ていなかった
その時楓に親のことを聞いたことがある
『私の両親は仕事が忙しくってさ。来れないんだ〜もうやんなっちゃう。美咲はいいな〜来てくれて』
そう言って笑っていたのを思い出した
もしかしてあの時からこんな状況だったの…
キッチンは楓が綺麗にしていたのだろうか
綺麗に片付いていた
冷蔵庫に食材があまりなかったので
私はコンビニで買ったご飯を一人で食べた
「美味しくない…」
楓はいつも一人で食べていたんだろうか
私だったら今頃お母さんとお父さんと3人で温かいご飯を食べてたんだろうな…
私は…温かい家庭に生まれてきていたんだな
今までそんなこと考えたこともなかった
私はお酒のゴミが散らかる家の中を見渡していると
楓の部屋があった
楓の部屋は殺風景で、机とベットに本棚
必要最低限のものしか置いていなかった
ただ…可愛い額縁に母親と楓が2人で写っている写真が飾られていた
楓は母親にだった
母親は家を出ていったのだろうか
「楓…そんなこと一言も言ってなかったのに」
私が両親の話をしている時
楓はどんな風に思って聞いていたんだろう
そして本棚に何冊かファッション誌があった
何度も読み込んであったのか、もうボロボロだ
1冊の雑誌を見ただけでわかる
楓は努力してた
きっとメイクも頑張って覚えたんだろう
メイクを落とした素顔の楓は
今までとは違う優しい可愛さがあった
私なんて1度もメイク覚えようと思わなかったな…
どうせ無理って諦めてた
私は慣れない楓のベットでこれは夢だと祈るように眠りについた
目が覚めても直ぐに現実に引き戻される
白くて綺麗な肌
ガサガサの私とは大違い…
私は制服に着替えて学校に出かける
「あれ…道が…」
振り返ると先程通ってきたはずの洋館への道が無くなっていた
いや、夢だったのかもしれない
すると私は違和感を感じた
いつもより…目線が高い?
肩には天パの綺麗な髪が方にかかっている
私は急いで携帯で自分の顔を見るとその顔は楓のものだった
「え、嘘でしょ」
私は何度も自分の顔をひっぱりつねった
頬はじんじん痛む
「痛い…。本当に楓になれたんだ」
恐怖より私は嬉しさを感じている自分に怖かった
時間は12時30分
理由はともあれ学校を抜け出してしまった
戻りたくはないが騒ぎになる前に戻らなくては…
いつもより軽い足取りで私は学校へと向かう
初めて行く特進コースに私は緊張しながらなるべく自然に楓の教室に向かう
特進コースA組…
見た目は楓だが記憶は美咲のものである
周りから不自然に思われないようにしなければ
楓のクラスに戻ると4人のクラスメイトが私のところに来た
「楓〜。いきなりいなくなるからどうしたのかと思ったじゃん」
「早くお昼食べよ」
楓の友達は優しい人ばかりだった
男女共に仲が良く
私の日常とは別世界のように感じた
本当に楓になれるなんて
私は笑いが止まらなかった
帰り道
私は段々と冷静になってきた
今頃楓はどうしているのだろうか…
美咲として学校にいるのだろうか
だとしたら、いきなりの事で戸惑ってるに違いない…
でもそれならなぜ私のところに来ないんだろう…
そんな不安を押し殺すように
学生証の住所を頼りに私は楓の家に向かった
「え…ここ?」
目の前にはボロボロのアパートが立っていた
ミシ…ミシ…
錆び付いた階段を一段ずつゆっくり上がると
『 八重島 』と書かれた古びた表札があった
「ここが楓の家…」
鍵が空いていたのでそっと家に入る
「ただいま」
返事が返ってこなかった
廊下の奥の方からテレビの音が聞こえる
廊下にはあちこちビールの缶が散乱していた
「な、なにこれ…」
リビングらしきところに進むと30代位の男性…父親なのだろうか
冷たい目でこちらを睨みつけると
「遅かったじゃねーか。あ、酒は?」
私は衝撃のあまり答えることが出来なかった
お酒?
「買って来いって言ったのに。出来損ないがよ。ったく。」
私は床に叩きつけられた
殺される
私は咄嗟に頭を守った
バタンと大きなドアの閉まる音が聞こえた
どうやら父親らしき人は家を出ていったらしい
私はこの突然の状況に頭が回らなかった。
中学生の頃
授業参観の時に楓の両親に挨拶をしようと思ったが
楓の親は来ていなかった
その時楓に親のことを聞いたことがある
『私の両親は仕事が忙しくってさ。来れないんだ〜もうやんなっちゃう。美咲はいいな〜来てくれて』
そう言って笑っていたのを思い出した
もしかしてあの時からこんな状況だったの…
キッチンは楓が綺麗にしていたのだろうか
綺麗に片付いていた
冷蔵庫に食材があまりなかったので
私はコンビニで買ったご飯を一人で食べた
「美味しくない…」
楓はいつも一人で食べていたんだろうか
私だったら今頃お母さんとお父さんと3人で温かいご飯を食べてたんだろうな…
私は…温かい家庭に生まれてきていたんだな
今までそんなこと考えたこともなかった
私はお酒のゴミが散らかる家の中を見渡していると
楓の部屋があった
楓の部屋は殺風景で、机とベットに本棚
必要最低限のものしか置いていなかった
ただ…可愛い額縁に母親と楓が2人で写っている写真が飾られていた
楓は母親にだった
母親は家を出ていったのだろうか
「楓…そんなこと一言も言ってなかったのに」
私が両親の話をしている時
楓はどんな風に思って聞いていたんだろう
そして本棚に何冊かファッション誌があった
何度も読み込んであったのか、もうボロボロだ
1冊の雑誌を見ただけでわかる
楓は努力してた
きっとメイクも頑張って覚えたんだろう
メイクを落とした素顔の楓は
今までとは違う優しい可愛さがあった
私なんて1度もメイク覚えようと思わなかったな…
どうせ無理って諦めてた
私は慣れない楓のベットでこれは夢だと祈るように眠りについた
目が覚めても直ぐに現実に引き戻される
白くて綺麗な肌
ガサガサの私とは大違い…
私は制服に着替えて学校に出かける