メーティスの骸
島の人たちに会った時にどうすればいいのかわからないが、この島の自然が美しいのは確かだ。しっかりと見ておきたい。

透が歩いて行こうとすると、「ちょっと待って!」と後ろから声をかけられた。振り向けば玲奈が家から飛び出してくる。

「な、何だよ?」

「私も一緒に行く」

玲奈の言葉に透は驚いた。普段、こんなことを玲奈が言うことはない。

「この島をもっと見たい」

玲奈の目は好奇心が見え隠れしている。透は「わかった」と言い玲奈も一緒に島を探索することになった。

「この花は……とても珍しいものね」

「この虫も珍しい」

「水を調べるためにペットボトルを持ってくるべきだったわ」

ただ景色を見ているだけの透とは違い、玲奈は自分の持つ知識を活かしている。何も説明することのできない透は後悔した。

透と玲奈は、島民の家々が立ち並ぶ場所に来ていた。しかし、よそ者がいるためかみんな家の中へ入っていってしまう。
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