メーティスの骸
「しかし、最近多いな。こんな風に謎の変死事件が起きるのが……」

「よそ者がばい菌を持ち込んだとか?」

島民の言葉に透はドキッと緊張する。もしも島民たちに襲われれば、この島に逃げ場はない。

「浜田、これって……」

「ああ、めちゃくちゃ危険だよな?」

透と洋一は緊張して声を震わせる。島民たちに会話を聞いていることがバレないように気配を必死で消す。島民の話はまだ続いていた。

「だから嫌だって言ったんだよ。貿易であっても外国とつながりたくないって……」

その言葉に透と洋一は目を丸くする。自分たちのことではないということにホッとした。透が胸を撫で下ろしていると、洋一がスッと物陰から出て行く。透は驚いて止めようとしたが、遅かった。

「あの!その外国ってどこの国ですか!?あと病気について詳しく教えてください!」

「よそ者に教えることなんてねえよ!」

「そうだ!どこかへ行け!!」

怒鳴り声と突き飛ばされる音が響く。透は「倉木!!」と慌てて飛び出した。
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