メーティスの骸
道に洋一は尻もちをついていた。島民たちは「またよそ者だよ!!」と悪態を吐きながら去って行く。

「何やってんだよ!教えてくれるわけないだろ?」

透が呆れると、洋一は「ごめん」と笑う。

「どうしても病気からこの島の人たちを救いたくてさ」

その笑顔は、感染症研究センターの職員としての使命に満ちていて、透はかっこいいなと思ってしまう。

「この思い、島民に伝わってくれるといいな」

そう言いながら透が手を差し出すと、洋一は「そうだな」と笑いながら手を取ってくれた。



家に戻ると、リビングでは玲奈が何やら真剣な顔でパソコンと向き合っていた。その姿に見とれながら透は玲奈に話しかける。

「なあ、ちょっと聞いてほしいんだけど」

「何?」

玲奈はパソコンから顔を上げる。透は島民たちの話を聞かせる。玲奈の顔はどんどん真剣なものになっていった。

「……なるほど。性格まで変わったのね」

「何かわかったのか?」
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