私の太陽は?


私は呆然と椅子に座っていた







これが噂の『学園祭マジック』なのか?

【学園祭マジックというのは学園祭期間に頑張ってる姿を見て恋に落ちてしまい、そのまま付き合ってしまう魔法のようなもの、というところから名付けられた】






平野「……。」
平野君がミルクオレを飲みながら歩いてきた






瑞稀「ひっ……平野君。」
私の顔が引きつってしまった








平野「………体調悪いのか?」
平野君は心配そうに私をみる







瑞稀「ううん、大丈夫。」
私は首を振った






平野君は私の横に座った







瑞稀「あの……?」
私は平野君をみあげた







平野「顔、赤いぞ。熱は?」







瑞稀「そんな赤い?」
私は手でおさえた







こんなぐちゃぐちゃな気持ちの時に

クラスメイトに会いたくなかっ……








平野君は私の頭を撫でた



平野「無理すんなよ。」







……!?








瑞稀「あの……平野君はなんで…私を気にかけてくれるの?」









平野君は手で 私の涙を拭った



平野「泣いてんのに ほっとけないだろ?」









あ、私……泣いてた……の








私は笑った


瑞稀「平野君のそういうところ、優しいね。」








平野「意外とだろ?」



瑞稀「うん、意外と……」
私は はっとなり、手で口をおさえて、平野君を見た







平野「……正直でよろしい。」
平野君は少しムッとした






瑞稀「しゅみません……。」
私は下を向いた








平野「何事にも正直がいいんじゃない?……自分の心にも。」
平野君はたち、ゴミ箱の方へと歩き始めた




瑞稀「ちょまてまてまて……。」
私は平野君の腕をつかんだ








瑞稀「なにを察して……まさか心が読める??」




平野君は私の手を振りほどき、手を私の肩に置いた










平野「団長……飯田はお前の事が好きだ。早くわかってやれ。ったく鈍感だから。」
平野君は階段を上がっていった







瑞稀「聞いてたの!?」



平野「聞こえてきた、が正しいかな?飯田がな、井上を……。」
平野君は笑った








瑞稀「……ドSか!」
私は思い切って言った







平野「ん?ドSですがなにか?逆にこれがドMにみえるかい?」
平野君はそのまま階段を登った








んんwwww

優しいとか言った私が馬鹿でした!!






前田「お〜い!」
観客席のほうから前田君の声が聞こえた




前田「あ、いたいた。フィールドの演技終わって、2人とも次バスケシュートだぞ?……ん、2人一緒にいるってことは……!!」
前田君が私たち2人を指さし、ニヤニヤしている。なにか勘違いしてるようだ








平野「なんもオモロいことはないぞ、前田。な、井上……"なにも"」
平野君は不気味な笑みを見せた





瑞稀「うんうん、なにもないよ、前田君。」







アイツww



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