不器用オオカミとひみつの同居生活。
もう一回、ぐぎゅるると間抜けな音が響く。
いまのは私だ。
めちゃくちゃすごい音がした。
私だ。間違いなく私だった。
バイト終わりだから空腹なのは当然だけど……音大きすぎない?
恥ずかしいというかなんというか、情けなかった。
「すぐに用意しますね。適当にくつろいでてください」
冷蔵庫の中身は見事なまでにスカスカで、逆に誇らしい気持ちになってしまうほど。
食材らしい食材は卵と、鮭フレーク。
鮭フレークにいたっては大さじ一杯分くらいしかない。
冷凍室を開ける。
冷凍室はもっと悲惨で、保冷剤がぽつんとさみしそうに眠っていた。