不器用オオカミとひみつの同居生活。
花平くんが家に帰ってこなくなって5日経った。
来週の月曜日から始業式だけど、それすらも行かないつもりなんだろうか。
スマホに表示された時計は、『23:04』と表示されていた。
もちろん、なんのメッセージも入ってなかった。
そもそも花平くんの連絡先すら知らないのだ。
モヤモヤしてる自分がいる。
意味もなくスマホをいじって気をまぎらわせようとしても、すぐに手が止まってしまう。
ざわざわする。
なんでこんな気持ちになるんだろう。
「花平くんのばか」
気付けば、近くにあったコートをつかんでいた。
「……私もバカだなぁ」
ぽつりと呟きながら、コートのそでに腕を通して、ポケットにスマホを突っ込んだ。
いまの気温は冬の日並みに低かったから
マフラーも巻こうかと思ったけどやめた。
きっと探し回ってたら暖まってくるだろうし。