不器用オオカミとひみつの同居生活。



花平くんが家に帰ってこなくなって5日経った。


来週の月曜日から始業式だけど、それすらも行かないつもりなんだろうか。


スマホに表示された時計は、『23:04』と表示されていた。


もちろん、なんのメッセージも入ってなかった。

そもそも花平くんの連絡先すら知らないのだ。



モヤモヤしてる自分がいる。


意味もなくスマホをいじって気をまぎらわせようとしても、すぐに手が止まってしまう。


ざわざわする。

なんでこんな気持ちになるんだろう。


「花平くんのばか」



気付けば、近くにあったコートをつかんでいた。



「……私もバカだなぁ」


ぽつりと呟きながら、コートのそでに腕を通して、ポケットにスマホを突っ込んだ。


いまの気温は冬の日並みに低かったから
マフラーも巻こうかと思ったけどやめた。

きっと探し回ってたら暖まってくるだろうし。


< 110 / 403 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop