不器用オオカミとひみつの同居生活。
教室にはそれぞれの空気感というものが存在する。
去年のクラスはあまり騒がしくなくて落ち着いた雰囲気だったけど、今年のクラスである4組は活発的だった。
偶然かそうじゃないのか、普通科の中でも目立つような人たちが集まっている。
「わぁ、さっそく黒板に落書きされてる」
すうちゃんが後ろの黒板を見て驚いたように声を上げた。
うまいともヘタとも言えない猫型ロボットが『一期一会』って語りかけてる。
クラスの8割が知らない人だった。
顔だけ見たことある人や、名前だけ知ってる人もいたけど。
「お前、席どこー?」
「んー…あ、ここだ」
席についてカバンをかけていたら、すぐ近くでそんなやりとりが聞こえた。
隣の人だ。男の子。
少し緊張しながら隣を見上げる。
ぱっと目に入ってきたのは、見慣れた笑顔。