不器用オオカミとひみつの同居生活。
その人も私に気付いたのか驚いていた。
「お、茅森ちゃん!また隣だな。よろし────」
「周くんっ!やったぁ……よろしくね!」
見つけていた名前のうちの1人が加瀬沢周くんで。
同じクラスなだけでも嬉しいのに、まさか隣の席なんて。
1年の最初でも隣同士だったから、安心してほっと胸をなで下ろす。
よかった、もっと怖い人だったらどうしようかと思った。
それに男子もあまり得意じゃないし、周くんで本当によかった。
「……あまねくん?」
固まってるけど、私なんか変なこと言っちゃったかな。
「あー……いや、まさかそんなに」
はっと我に返った周くんが、照れくさそうに頬をかいた。
「へ?」
「……なんでもない。よろしくな!」
「わっ」
頭をぐしゃぐしゃってされる。