不器用オオカミとひみつの同居生活。
「俺もハッピーサプライズあんだけど」
「たしかにバカっぽい」
「冷蔵庫ん中」
「冷蔵庫の中?」
きょとんとしたあと、急いで冷蔵庫の中を確認しにいく。
真ん中に置かれていたのは、プリンとシュークリーム。
それはもう、お目にかかれないと思っていたカフェラテプリンだった。
「え!こ、このプリンあったんですか?」
というかわざわざ買ってきてくれたの?
「3軒目にあった。食って悪かったな」
どうしよう、嬉しい。
もちろんプリンが食べられることも嬉しいけど、花平くんが買ってきてくれたことが嬉しかった。
しかもコンビニをはしごしてまで。
だって前までの花平くんなら『知らねー』で終わってたのに。
まるで子供の成長を見ているようで心があたたまった。
「このシュークリームは?」
「それもやる」
「じゃあ夜一緒に食べましょうよ。
プリンと、シュークリーム。半分こずつして食べましょう」
さっきまでの感情はどこへやら。
私はにこにこを隠そうともせずに、プリンとシュークリームを冷蔵庫の奥に大切にしまった。