不器用オオカミとひみつの同居生活。
そのときだった。
後ろで誰かが入ってくる音がした。
メモ書きを見たこっちゃんだと思って、振り返る。
……そこにいたのは、
こっちゃんでも見知らぬ女の子でもなく。
「──────あ、あまねくん?」
なんで?なんで女湯に周くんがいるの?
周くんって女の子だっけ。
頭の中が混乱して、あろうことかぱしゃりと音を立ててしまった。
その音に、周くんがこちらに気付いた。
「あ、誰かいたん……え、茅森ちゃん!?」
1度目があったはずの周くんが瞬間的に私から目をそらして。
はっとして自分の身体を見おろして、考えるより先に謝った。
「ご、ごめん……っ!」
あわてて近くにおいてあったタオルで身体を隠す。
頭の中が真っ白になって、なにか言おうにも言葉が出てこない。