不器用オオカミとひみつの同居生活。


また目を閉じるタイミングを逃してしまって、至近距離で見つめてしまう。


目が合うのは恥ずかしいはずなのに、一度捕まってしまえばもう逃げられない。



「っ……ふ、」

「は、2回目なのにその反応」

「や、やっぱり覚えて……!」


一度唇を離したのに、またすぐに求められる。

いつも不意打ちばかりだから目を閉じられない。


前回とはちがって、いまはなんだか怒りが伝わってくる瞳。


そこで私はなんだって納得した。


私、感情のはけ口にされてるんだ。


なんで悲しんでたかも、なんで怒ってるのかもわからないけど、

私はいいように利用されてるんだって。



その瞳のなかに映ってる自分がすごく恥ずかしくて、

いまさら?ってタイミングで目を閉じた。


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