不器用オオカミとひみつの同居生活。
「これ、シングルベッドなんですよ」
「それが?」
「狭いんです。せ・ま・い」
本当はそこまで窮屈には感じてなかった。
端ギリギリまで寄らなきゃいけないってわけでもないし、落っこちそうでもない。
「お前、知らねーの?誰かと一緒に寝たほうが身体にいいんだよ。健康にいいの」
「嘘でしょ」
「なら調べてみろよ」
言われなくても。
どうせ私をだましてバカにしようとしてるんだ。
近くにおいてあったスマホを起動させ、ぽちぽち検索する。
「……あ、ほんとだ。出てきた」
検索結果の一番うえ。
見出しにはたしかに花平くんの言ったとおりのことが書かれていた。
ふーん、と思いながら何気なくその記事をタップする。
「……これ、“寝る”ちがいじゃないですか!!」
どうみても記事の内容が大人向け。
は、裸がどうとか、パートナーとの絆が深まるとか……!
やっぱりダマされた。