不器用オオカミとひみつの同居生活。
怪訝そうな顔をされる。
何言ってんだお前。
口に出してはいないものの、そう言われているようで。
「せっかくかっこいい顔してるのに、もったいないですね」
小さい顔に、すっと通った鼻筋。
広めの二重まぶたに切れ長の瞳。
……綺麗な色してる。
黒には違いないんだけど、光の当たり具合によっては青みがかっても見えた。
そんな夜空のような目の横にある、不釣り合いのあざ。
「……てゆーかお前、手」
「手?あ、ごめんなさい」
無意識のうちに顔に添えていた手を離す。
何を言われてもおかしくなかったけど、彼はそれ以上何も言わなかった。