不器用オオカミとひみつの同居生活。
今度こそ
「おはよう」
上履きも入っていなかったから、職員室に寄っていった。
ぶかぶかのスリッパを引きずりながら教室に入ると、すうちゃんとこっちゃんが顔を強ばらせた。
目が合った瞬間、ハッと持っていた何かを後ろに隠して。
2人とも私の机を隠すようにして立っていたけど、ちらっと見えてしまった。
「もしかして、机の中に何か入ってた?」
ぎくっとした2人は顔を見合わせて、どうするか悩んでいるようだった。
そしておずおずと、すうちゃんが背中に隠していたモノを目の前に持ってきた。
「……これ。こんなの、いっぱい入ってた」
すうちゃんの両手いっぱい持たれていたのは、
見覚えのない……ゴミたちだった。
くしゃくしゃに丸められた紙とか、よくわからないビニールに、胸がどくんと音を立てた。