不器用オオカミとひみつの同居生活。
「朝来たら、カヤちゃんの机に詰められてたの。
あたしたちで片付けようとしてたんだけど……」
こっちゃんが後ろにあったゴミ箱に、それらを突っ込んだ。
「すうちゃん、こっちゃん……ごめんね。ごめん、ありがとう」
2人の手を汚す必要はない、あわててゴミを受け取った。
「なんでカヤが謝るの?
こんな酷い嫌がらせ、一体誰の仕業よ……!」
すうちゃんが大きな目に涙を溜めて、私の机からゴミを出した。
それを力任せにゴミ箱へ入れて、こちらを振り返った。
「ねぇカヤ、ほかに酷いことされてない?」
「あたしたちにできることがあったらなんでも言って」
足元を隠すように、バッグを肩から降ろした。
その際におそろいのクマがゆらゆらと揺れる。
「うん、大丈夫」
これ以上心配かけたくなくて、笑ってごまかした。