不器用オオカミとひみつの同居生活。
「お願いします」
ここ数日で湿布の減りが異常にはやい。
でも最近喧嘩をしていない花平くんは使ってないから、
つまり全部私が使ってるってこと。
全身湿布くさかったけど、いまじゃもう慣れっこだった。
花平くんがどう思ってるかわからないけど……
というか気付いてないだろうな。
「それと気管がすこし炎症を起こしてたから、咳喘息が再発しないように気をつけてね。学校の手伝いをするのはいいことだけど、埃っぽいところにはあまり行かないように。……約束ね」
「わかりました」
指切りまでして交わした約束を
この数日後に破ってしまうことになるなんて。
まさかあんなことになるなんて…
このときの私は思ってもいなかった。