不器用オオカミとひみつの同居生活。


「お願いします」


ここ数日で湿布の減りが異常にはやい。


でも最近喧嘩をしていない花平くんは使ってないから、

つまり全部私が使ってるってこと。


全身湿布くさかったけど、いまじゃもう慣れっこだった。


花平くんがどう思ってるかわからないけど……

というか気付いてないだろうな。




「それと気管がすこし炎症を起こしてたから、咳喘息が再発しないように気をつけてね。学校の手伝いをするのはいいことだけど、埃っぽいところにはあまり行かないように。……約束ね」


「わかりました」



指切りまでして交わした約束を

この数日後に破ってしまうことになるなんて。


まさかあんなことになるなんて…



このときの私は思ってもいなかった。


< 195 / 403 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop