不器用オオカミとひみつの同居生活。


彼がお風呂に入っている間に明日の課題を終わらせよう。



私の通うA高校は進学校じゃないのに、なぜか課題が異様に多い。


別に出さなくっても成績には響かないということを知ったのはごく最近。


学年末テストが終わったあと、この学校はテスト重視だと友達が教えてくれた。

それをもう少し早く言ってほしかったと思ったのは言うまでもなく。


でも出せば加点してくれるらしいから、こうして毎回真面目に取り組んでいるのだ。



「テストだけじゃ心もとないしなぁ」


頑張ればもう少しテストの点数をあげることだってできる。


けど、頑張れない理由が私にはあった。



「おい」


しばらくして、後ろからかけられた声。



振り返ると同時に……



「ふっ……」


案の定、笑いを堪えることはできなかった。


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