不器用オオカミとひみつの同居生活。
真っ白な光が走り、一際大きな雷鳴が響いた。
その音に我に返るが、茅森は依然うなされている。
聞こえてくる呼吸音はあきらかにおかしかった。
伸ばされた茅森の手がむなしくも空を切り、
すぐ近くにあった俺の手をつかんだ。
こうなれば意地でも離れないことは身をもって知っている。
座っていても仕方なく、それならばとベッドに入ったことがはじまりだった。
「……子供体温」
なんでこいつ、こんなあったけーの?
前に湯たんぽか何かを隠し持っているのではと服をめくって確かめたら、ブチ切れられたこともあった。
「……ぅ、え…?」
苦しげに咳き込んで、茅森がうっすらと目を開けた。
ぼんやりとした瞳を向けられる。
これも起きたわけではないのだろう。
「何か飲む?」
その証拠に答えは返ってくることなく、また目を閉じる。
こいつ毎回記憶ねーから、不思議に思ってんだろうな。