不器用オオカミとひみつの同居生活。
それからだんだん、私の口数は少なくなっていった。
から返事をされるのが辛くて、それなら最初から話しかけないほうがいい。
向こうから話しかけてくれることもほぼないから、同じ家にいるのに私だけ切り離されたみたいだった。
それでも私は家族が好きだった。
お父さんも、お母さんも、陽向も、ミケも。
「憂。そんなとこにいないで、こっちに来たら?寒いでしょ」
「っ……うん!」
すでに傷だらけの手でミケを触ろうとしていたら、優しい声をかけられたこともあった。
たまにしかなかったけど、私にはそれが嬉しかった。
それだけでいいやって思うようになった。