不器用オオカミとひみつの同居生活。
「そうだ。テストの結果貼られてましたよ」
「へえ、何位?」
「花平くん6位でした。化け物ですね」
自分のことのように嬉しくて思わず撮ってしまった、テスト結果の順位の写真。
新しくしたスマホを操作してそれを見せるけど、花平くんは興味を示さない。
「俺じゃなくて、お前。今回頑張ってただろ」
あ、私のこと?
それなら、と次の画面にスライドさせる。
「じゃーん。どうですか?これが私の本気です」
9位────茅森憂
絶対取れるわけないって思ってた順位の横に、私の名前があった。
それはかつての花平くんの順位。
「お前もそう変わんねーじゃん」
「死ぬほど勉強したんですよ」
花平くんは全然勉強してないのに、こんな点数をさらりと取ってしまう。
頭のつくりが違うのは明確だった。