不器用オオカミとひみつの同居生活。
「さて、そろそろ入りましょうか」
2人で部屋に戻り、床に敷かれた花平くんの布団を見て、ふと思う。
そういえば最近、花平くんは昼寝をしなくなった。
たまにならあるけど、前みたいにぐうぐう眠りこけてる姿は見ない。
それに夜も自分の布団で寝るようになったし。
なんでだろう。
朝起きて、隣に花平くんがいないことに違和感しか感じなくて。
少し離れた布団のなかで眠っているのを見てモヤッともした。
この日も例に漏れず。
「じゃ、寝る」
「あ、はい……おやすみなさい」
それぞれ寝床について照明を消す。
時計の秒針だけが響く、静かな空間。
私はしばらく経っても寝られなくて、
何度もぎゅうっと目を瞑ってみる。
そんなことをしても、目は余計に冴えていく一方で。
シングルベッドがなぜか広く感じた。