不器用オオカミとひみつの同居生活。
次の日、すうちゃんと映画を観たあと近くのカフェでお茶をしていたときだった。
「いたっ」
オレンジジュースがしみて、思わずストローを離してしまう。
「大丈夫?それ、痛そう」
前に座っていたすうちゃんがチョコケーキを食べながら心配してくれる。
ここのお店のケーキは美味しくて、すうちゃんは2個目のケーキだった。
「何でそうなったの?」
「ちょっと噛み癖のある猫に……」
「猫?ああ、カヤんちの猫。写真見たい」
「いいよ」
やっと最近、写真を撮らせてくれるようになったミケ。
この前帰ったときにベストショットなる奇跡の一枚を収めてしまったから、スマホのホーム画面に設定している。
「かわいーじゃん!名前なんだっけ」
「ミケ。正式名称はミケランジェロなんだけど、じつは三毛猫じゃないの」
「待って、情報量が多すぎてついてけない」
すうちゃんは猫アレルギーだから触れることはできないけど、こうして見る分には好きらしい。