不器用オオカミとひみつの同居生活。
「もしかして電話のこと言ってます?ていうかあれそんなに長電話でした?」
「お前……いや、もーいい」
「途中で諦めないでくださいよ」
どちらにせよ堂々巡りは避けられない。
私も大人しく食事を再開することにした、
んだけど。
「うぅー……やっぱり痛いよぉ」
「よっわ。なに、お前って麩でできてんの?」
「煽らないでくれます?」
たしかにお麩は染み込みやすいけど、まだ私のほうが強いもん。
ふんだ、見てろよ。と大きめの南蛮漬けを食べた。
そのあとはお約束どおり私が涙目になって口を押さえ、
それを見た花平くんはめずらしく声を上げて笑って。
一緒に過ごせば過ごすほど、新しい一面を見つけることができる。
それでも花平くんの気持ちだけは、どうしてもわからないままだった。
……私のこと、どう思ってるんだろう。