不器用オオカミとひみつの同居生活。
「難しい応用問題も解けてるぞ。よく頑張ったな」
先生から返却されたテキストをあわてて見る。
そこには空白なんてなくて、どの問題も最後まで解かれていた。
2ページ目も同じで、一番最後の応用問題も消された跡すらなく答えが求められている。
……これ、私じゃない。
私とよく似た字だったけど、じっくりと見たら違う人の字だった。
それに、私にはこんな問題まで解けない。
学校に来てから私以外にテキストを触った人はいないはず。
となれば思い当たる人は1人しかいなかった。
でも、まさか……
このときは半信半疑だったけど、
すぐに確信に変わることになった。