不器用オオカミとひみつの同居生活。
「で、あいつはいつ来てくれんの?」
「あいつ?」
「加瀬沢」
「なんで周くんが……」
「付き合ってんじゃねーの」
私は驚きのあまり、痛みも忘れて身を乗り出した。
「な、なんで!?私と周くんは付き合ってなんか……」
「じゃあなんで誰もいない教室でキスなんかできるわけ」
「っ……!」
違うのに、こんなときに言葉に詰まってしまう。
「そ、れは違うんです……っ」
はやく誤解を解かなきゃって思えば思うほど、気持ちがあせって言葉がうまく出てこない。
すべてが逆効果で、こんなの私から見たって肯定しているようなものだ。