不器用オオカミとひみつの同居生活。
そのときだった。
「カヤちゃん階段から落ちたって聞いたけど大丈夫!?あともう一人の子も!」
病室に、ほとんど転がり込むようにして刈谷先生が入ってきた。
まず私を見て、その次に花平くんを見て
「あ、君はいつぞやの……というかカヤちゃんより怪我の程度が酷いぞ!?」
ぎょっと驚いたような顔をした。
「もう一度くわしい検査を……」
と言いかけた先生の言葉をさえぎるように、花平くんが病室を出て行こうとしたから。
「待って、花平くん!」
「……花平?」
引きとめた私の言葉に反応したのは刈谷先生だった。
……え?
なに……?