不器用オオカミとひみつの同居生活。



そんなある日。


用事があって病院に行った私は、なぜか院内のカフェで刈谷先生と向かい合っていた。

先生は落ち着かない様子で、すでに3杯目となるコーヒーを飲んでいる。



「あの、先生。カフェインの過剰摂取はあんまり……」

「え?うん、うん。そうだね」


から返事をした先生は4杯目のコーヒーを注文していた。


本当に、あまり飲みすぎないほうがいいと思うんだけど……

私もつい先日、同じことをしたばかりだったから余計にハラハラする。



なんで呼び出されたのか、こんなにそわそわしているのか。

考えられる理由は2つほどあった。



「あの、もしかして余命宣告ですか?私の身体になにか異常でも……」


黙々とコーヒーを飲んでいた刈谷先生が思いっきりむせた。



「余命宣告!?いや、ないないない!健康だったよ!異常も何もないよ」


「じゃあ、この前のことですか?花平くんのこと」

「うっ」


その反応からすれば、当たっているんだろう。


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