不器用オオカミとひみつの同居生活。
ぶんぶんと頭を振る。
思い出せ、私のモットーを。
「一にバイト、二にバイト、三、四がなくて、五にバイト!」
よし、なんて気合いを入れて両手にゴミ袋。
あとはこれを店の裏側にある、ゴミ置き専用の倉庫に運べば終わりだった。
いくらコンビニとはいえ、裏側にまわれば真っ暗闇の世界で。
スマホのライトで照らしながら、倉庫の鍵を開けようとしたとき。
「騒いだら殺すぞ」
首に押しあてられた冷たい何か。
それよりもずっと冷たくて低い声が、耳のすぐ後ろで聞こえた。
「ついてこい」