不器用オオカミとひみつの同居生活。
「当たってるんだが」
「当ててるのよ」
ちらりと見下ろせばいたずらっ子のように白い歯を見せていた。
「ねえ、もう一回」
「明日に響くぞ」
「どうせまだ寝れないでしょ。それに私、明日はオペ入ってないの」
ぐっと言葉に詰まる。
自分もオペの予定はなかった。
「君はいい意味でも悪い意味でも、医者らしくない」
「あなたはいい意味でも悪い意味でも、医者らしい」
はあと吐いたため息をどう捉えたのか、美里は嬉しそうに背中に手を回してきたのだった。