不器用オオカミとひみつの同居生活。
切ない体温
冷えた身体をあたためるように、みそ汁を流し込んだ。
意識するわけでもなく、あー……と間の抜けた声が出てしまう。
「あったかー……」
やっぱり冬はみそ汁にかぎる。
時計を見ると、まだ日にちは変わっていない。
24時を過ぎていなければ普通にご飯を食べる。
という謎ルールのもと、私はしょうが焼きをご飯と一緒に口に運んだ。
料理の腕には自信があったけど、今日のは格別に美味しい。
もしかしたら料理人になれるかも?なんて。
これぐらいで調子に乗るなって、家政科の人に怒られちゃう。
それに料理をすることが好きなわけじゃなかった。
既製品を買うより安く済むし、量を調節できるから。
それだけの理由で私は毎日のようにご飯をつくっている。
誰かに振る舞えなくてもいい。
自分の分だけ作ればそれでいい。
そう思っていた。
……今までは。
「茅森」