不器用オオカミとひみつの同居生活。
ドアの先に立っていた花平くんは、
なんだか難しい顔をする。
「……お前、いま誰か確認した?」
「え?してませんよ。だって連絡入れてくれたじゃないですか」
「だからって俺とはかぎらねーだろうが」
たしかにそうだけど。
ずっと待ってたんだもん。
けじめをつけてきた花平くんは、金色から黒髪になっていた。
「昨日、髪染めながら考えたんだけど」
「うん」
「自分でも引くぐらいお前に惚れてる」
「……うん」
今まで我慢していたのに、その言葉に堪えきれなくなって顔を両手でおおった。
ここで容赦なく手を引き剥がすのが、やっぱり花平くんらしくて。
涙でぐしゃぐしゃの顔を見られてしまう。
優しいけど乱暴、
「こうやって泣かせるかもしれない」
乱暴だけど優しい彼に、
私もどっぷり惚れてしまってる。