不器用オオカミとひみつの同居生活。
「笑えない日があってもいい。たまに泣いたっていい。そこに花平くんがいてくれるだけで私は幸せなんです」
お互いの道を歩きはじめた私たち。
いかないでと呼び止めたわけじゃない。
戻ってきたわけじゃない。
それでも道はどこかで交わるんだって、信じていたから。
何年後だったかもしれない、
何十年後だったかもしれない。
今日?明日?
未来のことはわからないし、人生は何が起こるかわからない。
でも、これだけはいえるよ。
遅かれ早かれ、その幸せの先には必ずあなたがいるってこと。
「花平くんおかえりなさい」
「……ただいま、茅森」
飛び込んだ私。
ぎゅっと抱きしめてくれた花平くんは、もうどこにも寒さなんて身にまとってなかった。