不器用オオカミとひみつの同居生活。
待って、じゃあ最初のキスは……
「え!?…………、えっ!?あのときから!?」
「さぁな」
情報過多で頭がパンクしそうだった。
そのとき、
「茅森」
「花平く、っ……」
ぐいっと持ちあげられた顔。
冬の朝のように澄んだ花平くんの瞳が近づいたと思ったらまた、甘くてちょっと乱暴なキスをされる。
「っ、んん……っは、」
これだけじゃ足りないとでもいうように角度を変えて何度も、何度も。
そのうち目の前がくらくらしてきたのは、たぶん酸素が足りないせいだけじゃない。
ほおに添えられた手があたたかくて、もっと求めるように両手を背中にまわす。
熱をおびた花平くんの瞳。
そのなかに映っていたのは、蕩けた表情の私だった。
「な、っんで…いっつも目あけたままなんですか……?」
息も絶え絶え、やっと隙をついて呼吸をととのえる私に花平くんは言った。
「そのほーが茅森の顔見れるから」
幸せすぎておかしくなってしまいそう。