不器用オオカミとひみつの同居生活。
食事も終わり、お風呂から出た私はあるものを棚から取り出した。
「これ、合鍵です」
鍵を渡すと、いぶかしげな眼差しが私を見上げる。
「この前、鍵もかけずに出ていったでしょ?
あれやめてくださいね」
まああのときは鍵も渡してなかったし仕方がなかったんだけど。
さすがに防犯に関わることだから、これからはそういうわけにもいかなくなる。
そう伝えると花平くんは無言で鍵を受け取ってくれた。
「それ持ってたら自由に出入りできますから」
「鍵、何個あんの」
「2つですよ。私が持ってるのと、いま花平くんに渡したやつ」